その他大勢から抜け出す

 『「私ぐらいの年のとき、同僚に差をつけるために何をしましたか。」

という若者の質問に、ジャック・ウェルチは答えた。

 「いい質問ですね。まず理解しなければならないのは、その他大勢から抜け出すことの重要性です。上司に目をかけてもらうには、この単純な原則しかありません。上司から質問されたり、簡単なプロジェクトを任されたり、データ収集を頼まれたときに、どう対応するかにあります。ほとんどの人は言われたことしかやりません。つまり、上司が正しいことを確認するだけです。しかし、そうでない人もいます。上司の質問は、単なる出発点にすぎません。上司に質問されたら、その質問を足がかりにして、もっといろいろなアイデアを出さなければならないのです。出世するには、質問に答えるだけに没頭するのではなく、上司の頭の中にある一連のアイデアに付加価値を与えてやるのです。つまり、上司に質問の答えを出すだけではなく、多分上司が思いつきもしなかったアイデアや意見や見通しを三つ、四つ披露してやるのです。そうやって最初の着想に膨らみを持たせ、質問をしたときの上司の期待を上回る結果を出すことです。ですから、質問は出発点に過ぎないのだということがわかれば、あなたはその他大勢から抜け出せるでしょう。なぜなら、その他大勢の社員の99%は何も考えていないからです。この原則を理解していれば、重要な仕事や課題はあなたに任されるようになるでしょう。」』

 その他大勢から抜け出すためには、質問に答えることはもちろんのこと、その上司の上をいく付加価値をつけれるかにあります。質問は単なる出発点であり、上司の期待を上回る結果を出し、上司を押し上げていけるくらい力量が必要なのです。上司はそんなスタッフを見逃すわけはありません。