手を上げる

 『「私にやらせてください!」といつも言っていた若い社員。それは、20代の頃の私です。「誰か、この仕事をやってくれないか」と上司が言っているのに、手を上げる人がいない。だから、私が「はい」と手を上げていたのです。やり方がわからないときでも、さっと手を上げて、「やらせてください!」と言っていたので、私のところへ仕事が全部まわってきました。どうすればいいかわらない場合には、自分で調べたり、人に教えてもらったりしていました。こうして仕事をしているうちに、私は部長になっていました。あっという間のことでした。この仕事は、やりたい。そういう仕事は、他人もやりたいと思っているのです。しかしそれでは、チャンスは訪れません。誰もがやりたがらずに、手を上げない。そのときこそが、チャンスなのです。わからなくてもいい。とにかく、一生懸命トライしてみることです。最初から自身をもって仕事をこなせる人など、どこにもおりません。仕事しながら、経験を積み重ねていくうちに、実力は自然についてきます。だから、まず、手を上げてから考える。それが正しい方法です。人は「店長」になってからグンと力がつく。「部長」になってからぐんぐんと力がつく。山ほどの仕事をこなしているうちに、実力もつき、風格も備わり、それらしくなっていくものです。』小山昇氏の言葉です。

 小山さんほどではありませんが、私も「はい」と手を上げて、何でもやらせてもらいました。何よりも人のお役に立てて喜んでもらえる、これほど嬉しいことはありませんでした。そして何でもやらせてもらうことで、いろいろなことを誰よりも早く学ぶことができました。先輩とも早く突っ込んだ話しができるようになりました。どんどん手を上げて何でもやらせてもらうことが、次へのステップへ行く近道です。仕事を選ぶ人は、手を上げて何でもやっている人には決してかないません。