活き活きと生きる

『ある家電メーカーの副社長の話し。

Aさん、Bさん二人の定年退職者が、偶然にも相前後して、退職の挨拶に来たときの話。そしてその後日談である。

Aさんは、「子供にもまだお金がかかります。心機一転して、新人になったつもりで、人事部から斡旋された会社で働きます。」といって去ったという。

一方Bさんは、「商売が軌道に乗っている息子がゆっくりして孫の面倒を見てくれりゃいいと申しますので・・・」という。

Aさんには、「がんばりなさい。」と激励し、Bさんには「うらやましいくらいだ。あんたのような人が、悠々自適というんだな。」と言葉をかけたという。

それから5年ほどして、期せずしてある催しの席で、副社長は二人と再会した。

「そこでおどろいたことには、二人の若々しさというか、生気というか、まるで違うんですな。」副社長は二人のあまりの落差にわが目を疑ったという。というのは、「心機一転です」と言って去ったAさんは以前にも増してハツラツとしていたそうだ。ところが、「悠々自適」と言って去ったBさんは、老化の早さが言動にも顔にも色濃く出ていたという。「朝起きて、今日はあれをやるゾ!」という目標は、その目標自体がエネルギーなのだ。Aさんにはそれがあり、Bさんの前からは、それが姿を消してしまったのである。』

   人ごとではないと思います。Aさんのようにいつまでもやることがあることが、どんなにいいことか。活き活き生きるコツだと思います。働けるまで働きたいし、動けなくなるまで、人のお役に立てることがあるのなら、何でもやらせていただきたいと考えています。