成果が出ないといって

 『成果が出なかったということは、無意味だったということではない。たとえば、恋愛に成功しなかったということが、無駄だったとか、心を痛めただけだったということを意味しているのではない。なぜならば、その苦悩の中で人はたくさんのものを得るからだ。苦悩があるから成熟する。苦悩したからこそ、新しく成長できる。喪失、困難、苦悩は、人に豊かなものを与えてくれるのだ。』フランクル曰く。

 「喪失、困難、苦悩は、人に豊かなものを与えてくれる」とは、なんて素敵な言い方でしょう。20代~30代の若い時期は、いろいろなことに前向きに取り組み挑戦してきました。それゆえたくさん壁にぶつかって悩んだことが多かったように思います。本当に前に向かって進んでいるのか、遅々とした歩みに「こんなことをしていて大丈夫か」と、気の遠くなる思いがしました。しかしながら、50歳を超えてわかったことがあります。それは、目の前のことを一つ一つ確実に着実に乗り越えていくのが一番の近道であり、遅々とした歩みではありますが、ある時から急に加速度的に物事が見えてくるようになったと感じています。カタツムリの歩みのようでありましたが、長い年月の積み重ねのすごさを痛感しています。成果にとらわれず、一つ一つ確実に着実に乗り越えていったから、ほんの少しかもしれませんが豊かさを感じれるようになりました。

「たゆまざる歩み おそろし かたつむり」です。