決定的瞬間の決断

 『決定的な瞬間における決断が、その本人だけでなく、その軍団や国家さえも左右することになる辛さーこれは当事者にしかわからない、まさに血を吐くような苦しみであろう。後で振り返ってみたとき、あそこで的確な決断をしていれば、事態は180度違った方向に進んでいただろうにと後悔のホゾを噛むことがすこぶる多い。「後悔先に立たず」であるが、そこでなぜそうなったのかを冷静に反省してみることが大切である。

 おそろしいことに、その一瞬の迷いの中に、自分の人生の修行のレベルが現れてしまったのである。その一瞬は、自分の普段の研鑽が凝縮されたものだったのである。

 プロというものはこうした決定的瞬間のためにこそ、人の及ばない苛烈な修行を積み重ねるのであり、そのすさまじいまでの蓄積が、ある決定的な場面にものをいうのだということである。』鎌田勝氏の言葉である。

 生きるとは、決断の連続です。そのなかの決定的瞬間の決断に、その人の人生の修行レベルが現れてしまうのです。プロは的確な判断を行うために、日々研鑽を行っているのです。