挨拶をしないと批判する前に

 『よく「この学校の子供はあいさつをしない」という教師がいる。それはその教師が悪い。他人の責任にしているからである。二度・三度しても挨拶をしない子供には、十度でも二十度でも声をかければいい。それが教師の仕事である。挨拶をしないなどとおこる前に自分から挨拶をすればいいのである。』森信三先生の言葉である。

 挨拶をしない人を批判しているだけでは、挨拶をするようになるわけはありません。何度でも何十回、いや何百回・何千回でも挨拶していくのです。それも「おはよう」「おはようございます」だけでは、最初はあいさつの気持ちがなかなか伝わりません。「おはよう。きのうはがんばったね。今日もよろしく。」「おはよう。体は良くなったの。」「おはよう。昨日も遅くまでありがとう。今日は早く帰ろうね。」など、人に合わせてプラスαを付けて挨拶するのです。そのためには人をよく観察しておくことが大切です。あなたを見ているよ。今日も一緒に頑張ろうな、という気持ちを込めて挨拶をするのです。あいさつをしない人でも、こういう挨拶をする人が周りにいれば、どんな人でも必ず自然と挨拶をするようになります。

 「挨拶をしよう」などと掛け声をかけて、挨拶ができるようになるはずはありません。挨拶は、一日のスタートに当たって今日も一緒に頑張ろうという気持ちを込めてするものです。挨拶は、「おはようございます」だけではありません。「こんにちわ」「お久しぶりです」「お疲れ様です」「ありがとうございました」「お先に失礼します」などたくさんあります。こんなにある挨拶を頻繁に行っていると、人間関係がどんどんできていきます。お互いのハート・トゥー・ハートのつながりを感じとれるようになれば、誰だって気持ち良い挨拶を自ら行うようになります。良い挨拶を徹底して取り組んでいくのです。