場数を踏む

 『何事であれ、場数を踏むことが肝腎である。場慣れすれば、やたらに怖がることなく、あがったり、混乱したりすることもない。冷静に判断し、それなりにしぶとく対処できるようになる。危機や障害を乗りきるにはなおさらで、ここ一番の切所では、場数によって会得したものでなければ、ものの役に立たないことを深く銘記すべきである。』

 最初は誰だって不安があります。大きな舞台になればなるほど、そうです。その不安をなくすためには、場数を踏むことです。大勢の前での初めての発表ともなると、誰だって緊張します。質問されたら、どうしよう。もちろん、想定される質問はあらかじめ考え、答えを用意しているとはいえ、実際の発表においては想定外の質問はつきものです。質問者の意図するところを即判断し的確に答えようとしますが、あがっているため要を得ないことが多いものです。こう言えば良かったと、あとで反省することばかりです。自身の知識不足や日頃の取り組みの甘さによるものが見えてくれば、その発表も次に生きてきます。そういった発表の場をできるだけつくり場数をどんどん踏んでいくと、発表に対して何の不安も感じることがなくなります。不安がなくなるまでやれるかが鍵です。そこまでやってはじめて、場数を踏んだと言えます。途中でやめてしまったら、場数を踏んだことにはなりませんし、自身の力にはなりません。大勢の人の前で普通に発表できる人は、我々と同じように悔しい思いをしながら、場数を踏んで乗り越えてきているのです。不安なことや苦手なことがあれば、どんどん手を上げてやらせてもらい場数を踏むことです。若い今こそ、その姿勢が大切だと思います。それが早く力をつけ不安をなくす方法です。